- さき
- I
さき【先・前】(1)物の先端。 出っ張ったところ。 はな。
「~のとがった棒」「指の~」
(2)進んで行く一番前。 先頭。「~を切って走る」「行列の~」
(3)時間的に早いこと。⇔ あと「~に出かける」「~に着いた順に並ぶ」(4)順序が前であること。⇔ あと「代金を~に払う」(5)その時よりも前。 以前。⇔ のち「~に申したとおり」「転ばぬ~の杖」「~の世」(6)後につづく部分。 後につづく段階。 つづき。「早く~を読みたい」「~を急ぐ」
(7)これからあとのこと。 将来。 前途。 行くすえ。「~が思いやられる」「お~まっくらだ」「三年~が楽しみだ」
(8)そこより遠い所。「この~行き止まり」「大阪より~へは行ったことがない」「霧で一〇メートル~も見えない」
(9)出かけて行く場所。「旅行~」「出張~」「勤め~」
(10)取引や交渉などをする相手。 先方。「~がこわがつて相手にしねへから/安愚楽鍋(魯文)」
(11)かつて, ある官職にあったこと。 前(ゼン)。 多く「さきの」の形で用いる。「~の関白」
(12)先払い。 先駆。「大久米のますら健男を~に立て/万葉 4465」
(13)第一。 まっ先。「おだやかなる思ひを~とすべし/十訓2」
〔 〕~が見・える(1)将来の予想がつく。「このままでは~・えている」
(2)将来を見通す力がある。~に立・つ(1)先頭に立つ。 率先して事に当たる。(2)まず最初に必要となる。「何をするにも金が~・つ」
(3)まずはじめにそのような状態や気持ちになる。「憤りよりも哀れみの気持ちが~・った」
~を争(アラソ)・うわれさきにと競う。~を追・う貴人の通行のとき, 先払い{(3)}をする。「この殿, 大将にて~・はれけるを/徒然 196」
~を越・す先回りをして手を打つ。 先手を打つ。~を払・う貴人の通行のとき, 先払い{(3)}をする。「筑紫大名とおぼしくて~・つて来りける/浄瑠璃・用明天皇」
~を読・む将来に起こることを予測・推測する。IIさき【崎・埼】(1)陸地が海や湖に突き出た所。 みさき。「磯の~漕ぎたみ行けば/万葉273」
(2)山の端が平野に突き出た所。 はな。III「岡の~いたむるごとに/万葉 4408」
さき【左記】縦書きの文書の左の方。 すなわち後の方に書いた部分。 普通, 細目を示すのに用いる。 下記。IV「詳細は~のとおり」「~に示すごとく」
さき【幸】さいわい。 繁栄。「大君の命の~の聞けば貴み/万葉 4094」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.